ベルギーの画家ル・メイヨールと踊り子ニ・ポロックの愛の物語
デンパサールからさほど離れていない、バンジャール・クランディスに、バリの彫刻が施された椅子が表に置かれている一軒の家がある。
建物の壁には、ワヤン・クリッの登場人物が物語られている。
応接間の壁には、花を摘んでいる女性がポーズをとっている白黒の古い写真がいくつかかかっている。他にもアンテン(バリの特徴ある衣装)をまとった女性の写真が、何点かある。
1933年にベルギーからやって来た芸術家アドゥリエン・ジェーン・ル・メイヨール・デ・マープレスの絵画のモデルとなったレゴンダンスの踊り子、ニ・ニョマン・ポロックの古い家と言われる。
ル・メイヨールは、バンジャールクランディスで当時まだ15歳だったレゴンの踊り子ポロックと知り合い、絵画のモデルとして採用した。
ニ・ニョマン・ポロックの甥であるイ・ニョマン・アルカ氏は、「ポロックは家の近くのジュリット寺院でよく踊っていた。そこでル・メイヨールという画家と知り合い、モデルとなった」と語った。
1933年、ル・メイヨールはシンガポールでの初の展覧会でポロックをモデルにした絵を披露し大成功を収め、一躍有名になった。
シンガポールから戻った彼は、サヌール海岸に土地を買い、絵画スタジオとしての家を建てた。
新居でポロックは毎日モデルを務め、メイヨールは彼女の美しさに魅了されていった。
ある日、夢中で絵を描いていたメイヨールは、彼女が普段から胸に巻いていた布で絵筆を拭いて泣かれてしまい、お詫びの印にわざわざ彼女の為にアメリカへブラジャーを発注したという有名なエピソードもある。
8ヶ月の滞在のつもりだったメイヨールだが、バリ島に住む事に決めてしまったほどだった。
3年を共に過ごした後、二人は結婚した。そして、生涯をかけて妻をモデルに絵を描き続けたのだ。
ル・メイヨールとポロックの自宅は、現在ル・メイヨール美術館となっている。
via Tribun Bali
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