デンパサール-ギリマヌクを繋ぐ国道を西に向かい、ジュンブラナ県に入り、さらに西へ向かった道沿いに、ここを通る車が必ず立ち寄って祈りを捧げ、聖水をいただいて、道中の安全を祈願する場所、‘ランブット・シウィ寺院’がある。
写真は、聖典ドゥウィ・ジェンドゥラ・タットゥアに記されているランブット・シウィ寺院の元々の姿。
ランブット・シウィ寺院は、ジャワ島から渡ってバリ島に入り、ヒンドゥー教の布教をし、バリの土着宗教とを見事に融合させ、独特な‘バリヒンドゥーダルマ教’を構築した高僧ダンヒャン・ドゥウィジェンドゥラ(ニラルタ)の訪来と切り離せない。
ドゥウィジェンドゥラタットゥアの抜粋では、この方は、現在のクルンクン県にあったゲルゲル王朝に長く滞在した後、西へ向かいジュンブラナ地域まで行き着いた。海岸を探索していた時、祈りの場で一人のほうき職人と出会った。このほうき職人は、この祈祷の場には、恐ろしい霊的な力があると語った。ここを通る時に祈らないと、必ずトラに食い殺されてしまうという。
それで、ほうき職人は高僧に、ここで祈りを捧げて欲しいと乞う。その昔、ジュンブラナ地方は深い森に覆われており、獰猛な動物が生息していたからだ。そこで、高僧ダンヒャン・ドゥイジェンドゥラは 、ほうき職人の申し出を快く受けた。一つの祠で、高僧はヨガを行い、鼻の頭を見つめ黙祷し、ヒンドゥー教の唯一新イダ・サン・ヒャン・ウィディと、心を一つにして集中した。この方がヨガに熱中していた時、突然、祈りを捧げていた祠が崩壊した。
ほうき職人の見ている目の前でそれは起こった。ほうき職人は驚きのあまり泣き出し、高僧に赦しを乞い、もう一度この祠を建て直して欲しいと懇願した。続いて、高僧は束ねていた自分の髪をほどいた。そして、髪のひとかたまりを抜いて、ほうき職人に与えた。ダンヒャン・ドゥイジェンドゥラは、この髪の毛(ランブット)を祠の神の座に置き、全てが安全で平和であるよう祈り(シウィ)なさいと言った。
ほうき職人はこの言葉に従い、このことがこの寺院の名前の由来となったのだ。もう、日も暮れてきたので、高僧も祠で夜を明かすことにした。すると、沢山の人々が集まってきて、皆、宗教と薬草の知恵をさずけてくれるよう求めた。高僧は、人々に布教し、特にイダ・サンヒャン・ウィディ・ワサへの奉仕をするよう教えた。そして、プランバカット・ウマニスの水曜日には、ランブット・シウィ寺院で、村の平和を願って祈りを捧げるようにと告げた。
元々は海岸のすぐそばに建てられたランブット・シウィ寺院は、1950年代に現在の場所に移動して再建された。
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