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死刑を免れたバリ島爆弾テロ事件実行犯、被害者遺族と面会


バリ島爆弾テロ事件で爆弾を搭載した車両を運転した男は、爆破により命を落とした被害者遺族、及び、被害者の友人と面会をした。

死刑判決を逃れた実行犯の一人であるアリ・イムロンは、それぞれの夫を失ったニョマン・ルンチニさん、及び、ニ・ルー・エルニアティさん、そして、5人の友人を失ったジャン・ラクジンスキ氏と会うことになった。

ジャカルタの刑務所でイムロンと面会する前に、ルンチニさんは TV SBS テレビ番組で、「もし、アリ・イムロンがあなたに謝罪したら、あなたは彼を許せるかと、友人に聞かれた。私は、直接会って話をしてからでないと分からない、と答えた。」と、語っていた。

コンパスの取材によると、この面会でラクジンスキ氏は、イムロンに対し次のように尋ねたという。「何故あなたは爆破物を車両に乗せて運んだのか。あなたは毎夜、良く眠れるか。」

20021012日、2発の爆弾は有名な観光地であるレギャン通りで爆発し、202人の犠牲者が出た。1発はパディーズクラブに入った犯人が自爆をし、もう1発はサリクラブの駐車場に停めた車両の中でやはり自爆した。

3人の実行犯は、2008年に既に死刑に処され、その他は刑務所内で服役中である。イムロンは死刑を免れ、罪を認め後悔し、警察の捜査に協力した後に終身刑となった。現在は、非過激プログラムに従い、ジハードの考え方を改めている。しかし、面会の中で、「もし再びバリ爆破遂行の為に招かれたら、自分はそれを受けるだろうし、中にいたとしても、自分は爆弾を見出すだろう。自分はバリ爆破事件では良くなかった。あれが間違いであり反省すべきことなら、覚醒した犯人の一人である自分は良かった。被害者家族、そして、全ての人々に謝罪した。あれからは、殺人を犯していない。自分はモンスターではない。」と、述べた。

イムロンは、面会室に入室した際に面会者に握手を求めたが、5人の友人と、同胞88人のオーストラリア人を失ったラクジンスキ氏はそれを断った。夫の死亡確認に2ヶ月を要し、現在は三人の子供を一人で養っているルンチニさんは、「人は、彼は半分人間で、半分動物だと言う。何人かの友人は、犯人に会うならナイフか凶器を持って行けと言った。けれども、覚醒したもう一人の私が、私をそのような行為から遠ざけた。」と述べた。

イムロンは、「事件に関与はしたが、自分は、先導者でジェマ・イスラミアの先輩であり実の兄であるムクラスの言いなりになっていただけだ。もし、それに従わなければ、自分はジェマ・イスラミアの裏切り者と見なされ追い出されただろう。」と述べている。

面会後、エルニアティさんは、「彼が考えているのが分かった。彼は話を聞いていたが、その顔には同情のかけらも見出せなかった。」と述べた。

犠牲者遺族、及び、犠牲者の友人がバリ爆弾テロ事件のようなトラウマを残す事件の犯人に面会するのは、決して簡単な事ではなく精神状態にそれぞれ違う影響を及ぼす。クイーンズランド大学の心理学教授ジャスティンケナルディ氏は、このような事件の被害者遺族が犯人と対面する場合、その人の許容量と沸き立つ感情をコントロールできるか否かによって、受ける影響がそれぞれ違うと述べている。

今回の面会は、これまで彼らが乗り越えようと努力して来たものを逆に混乱させ怖がらせるだけであるという一面もあるが、幾つかの点では肯定的で有効な面もある。周囲からの助けを受け、耐える事を応援されたり、トラウマを少しでも軽減させようとする力づけを受けたりしている人にとっては、直接の面会は、今後前向きに生きていく上で、有益であるとケナルディ教授は評価している。


via Tribun Bali



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